『帝国の凋落』

原油価格の下落を受けて、産油国のロシアでは
経済状況が悪化するとの見方から、通貨ルーブル
が売られて暴落
し、混乱が広がっています。

すでにルーブルは、過去半年間で約40%以上下落
しており、今後輸出手取り代金の大幅減少により、
国内経済が痛手を受けることは避けられません。


















これまで石油価格が高水準で推移してきたことに
よる相対的な繁栄
で、有権者の支持を得てきた
プーチン大統領
ですが、今回のルーブル暴落は
その手腕の試金石になるとみられます。

ロシア経済はもともとウクライナ危機に伴う欧米の
制裁影響で低迷
していました。そこに今回の原油
相場の急落が追い打ち
をかけています。
ロシアの輸出の7割は燃料・エネルギーですが、
原油は全体の約3割を占めるもの。

市場では原油安が続けば経常収支が赤字に転じる
との観測が広がって、ルーブル売りに歯止めが
かからなくなっている状況。
ロシアは1998年、アジア通貨危機に端を発した
金融危機で債務不履行(デフォルト)に陥った経緯
があります。

今回は直ちにデフォルトの危機が再燃する状況では
ないと聞きますが、原油依存の経済の弱さは当時
と変わらないようです。
ロシア政権は以前から再三、資源輸出に頼る経済
構造を変革する必要性
を唱えてきましたが、兵器産業
以外には競争力のある産業が育っていません。 

原油高に安住して製造業の再生を怠ってきたツケ
が回ってきたといわれる、今回のルーブル暴落。

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”