『失敗があるから今がある』

「失敗があるから今があるんだ」

ビデオに録画しておいた「下町ロケット」
阿部寛さんが演じる主人公
佃航平が裁判の証言の場で熱く語る

「技術者魂」に、息子と二人で胸を熱くしました。

原作は半沢直樹シリーズの池井戸潤さん。
「下町ロケット」の主人公は、元宇宙科学開発機構の研究員で、

現在は父親が遺した下町の工場「佃製作所」の経営者である佃航平。


経営は順調で次第に業績を上げていく佃製作所。
しかし、あきらめきれない自分の夢であるロケットエンジンの開発に

力を入れすぎて、少しずつ業績は下降気味という状況。


ある日突然、取引先からの中止通知、メインバンクからの貸し渋り、

ライバル企業からの特許侵害訴訟、と難問が続出・・

そして大企業である帝国重工から佃製作所の持つ特許を20億円で

買い取りたいとの話が持ち上がる。

多額の負債を抱え、生死の瀬戸際に立つ佃製作所にとっては是が非でも

必要なお金。しかし、その特許には佃の夢が詰まっている。


佃航平は果たして、経営者として、多数の社員の生活を抱える社長として、

どんな結論を出すのか…?

ライバル企業からの特許侵害訴訟で、証人喚問に呼び出された航平に対して、

相手の大手企業・顧問弁護士は、過去に宇宙科学開発機構で研究失敗が

あったことを指摘
佃製作所にはステラエンジンを開発する技術が無いと罵倒します。

それに対して、「失敗があるから今がある。その積み上げられた失敗を、

技術者の報われなかった努力をバカにすることは許さない」と反論する航平。

「技術者はみんな自分の無力さを知ってるよ。毎日、壁にぶつかって

ばかりだからな。だからこそ日々努力し、腕を磨いて、徹夜で開発に

没頭し、次こそはと信じて物を作り続けてるんだ。
なんでか分かるか?
面白いんだよ。昨日できなかった事が出来るようになるからだ。」


この技術者論を聞いて、私は在りし日の父の姿を思い浮かべました。
自分が設計した機械の製品化に向け、作業服に着替え、自ら工場で汗と油に

まみれて、熱心に取り組んでいたその姿

子どもの眼に映ったその姿は、一生忘れないもの
終戦後、日本の復興を支えてきた中に、多くのそのような方たちがいた

ことはいうまでもありません。


航平は、「裁判長、これだけは言っておきます。たとえ裁判で負けたと

しても、ナカシマに特許を奪われたとしても、屁でもありません。

培ってきた技術力は決して奪えない。正義は我にありだ」と宣言。

思わず息子と、「そうだ!」とテレビの前で言ってしまいました。

”人と自然を調和しながら『持続可能な未来』を共創する”