「地球に食料を、生命にエネルギーを」
ミラノで開催されていた国際博覧会(万博)が
10月末、約2100万人もの来場者という大盛況
のうちに終わったそうです。
ミラノで開催されていた国際博覧会(万博)が
10月末、約2100万人もの来場者という大盛況
のうちに終わったそうです。
上記をテーマに、約140の国や国際機関が参加
して、多彩な食文化の魅力を発信しながら、飢餓
や持続可能な食料供給など地球規模の課題へ
の取り組みを提言した今回。
20世紀の万博は、「明るい未来と進歩」をいかに
見せるかが主眼であったのに対し、21世紀の万博
は、「人類の課題に対する解決策」を考える機会
にしています。
今回、ミラノ万博に出展した「日本館」は、先端技術
を駆使して和食の魅力を発信。
連日長蛇の列ができて、約228万人もの人々が来館
する人気パビリオンとなりました。毎日、洪水のよう
に人が押し寄せ、並ぶのが嫌いなはずのイタリア人
が最長9時間もの行列を作ったといいます。
日本館の外観は、岩手県産のカラマツ集成材約1万
7000本を、釘を使わずに組んだ“立体木格子”。
内部は5つのエリアに別れ、プロジェクション・マッピング
やスマホ連携、食玩や伝統工芸品など、アナログと
最新のテクノロジーがうまく組み合わされ、テーマパー
クに通じる演出で、日本の食文化の多様性と繊細さを
上手にアピール。
四季折々の農村風景や「いただきます」「もったいない」
という日本人の食に対する感謝の精神、農林水産業
の技術などを体験型の展示で紹介した内容に、傑出し
た展示館に贈られる金賞を受賞しました。
現地を取材した朝日新聞の大村美香編集委員の
レポートを興味深く読みました。
”正味5日間、取材もしつつ30あまりのパビリオン
を回った。感じたのは、伝えることの難しさと工夫
だった。
ボードに文章がかき込まれていたり、ディスプレー
に映像が流れるだけだったりする展示が多い。
見る側が意識して読んだり、意味を考えたりしなく
てはならず、いくつも見続けていると、どうしても
飽きて素通りしたくなった。
一方で、体験を通じて伝える工夫をしている館が
印象に残った。
「アイデアのフィールド」をテーマにしたドイツ館
では、入り口でボードを手渡され、各スポットで
かざすとミミズやハチのキャラクターの画像が
流れ、水、土、気候、生物の多様性について、
英語やイタリア語などで、易しく解説。
家畜の改良と品種の推移など専門的な内容も、
模型を交えて説明する。足を進めていくと、多彩
な野菜が植えられたコンテナ菜園が登場。食品
を無駄にしないレシピなども紹介しており、「私
たちが今、未来のためにできること」のアイデア
がちりばめてあった。
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