IUCN(国際自然保護連合)によるレッドリスト(世界の絶滅危惧種リスト)の見直しで、「ヒガシゴリラ」が「近絶滅種」に引き上げられたとの報。
人間により、野生環境での絶滅に追い込まれており、ニシゴリラやボルネオオランウータンなど大型類人猿3種と共に絶滅が大変危惧されています。
霊長類学者で京都大学総長の山極寿一先生は、ゴリラ研究の第一人者。人間の社会構造の根底を解明するために、進化の隣人であるゴリラの調査を長年行なってきました。
「人間に近い類人猿を調査したいと思い、さまざまな可能性を探りましたが、その中でもゴリラにすっかりのめり込んでしまったのです。ゴリラには他のサルにはない、体から放たれる活力があり、人間がかなわない「威厳」を持っていると感じるのです。人間が本来あるべき姿を、ゴリラには見ることができます。」(引用元:こだわりアカデミー「生物」)
霊長類学者で京都大学総長の山極寿一先生は、ゴリラ研究の第一人者。人間の社会構造の根底を解明するために、進化の隣人であるゴリラの調査を長年行なってきました。
「人間に近い類人猿を調査したいと思い、さまざまな可能性を探りましたが、その中でもゴリラにすっかりのめり込んでしまったのです。ゴリラには他のサルにはない、体から放たれる活力があり、人間がかなわない「威厳」を持っていると感じるのです。人間が本来あるべき姿を、ゴリラには見ることができます。」(引用元:こだわりアカデミー「生物」)
(写真元:京都大学Clock )
山際先生によれば、ゴリラの世界では相手の顔を見る行為がコミュニケーションのベースになっているそう。ゴリラの社会では力でなく、むしろ弱い立場の者がイニシアティブを握っているという意外さ。顔の見つめ合いで、弱い者は意思を主張し、強い者はそれを読み取ろうとするといいます。
立場の強い者同士が喧嘩していると、弱い立場の者が仲裁に入り両者の顔を見つめる。仲直りさせるのは、弱い者の役割。両者のメンツが守られる仲直りの仕方を、ゴリラが心得ているからだと山極先生はいいます。強い者が仲裁すると、強制的な終結となり、両者の心には不満が残る。しかし、弱い者が間に入ると「仕方がない」と、自発的な和解ができる。他のサルにはない行動。
「サルは、相手がどう自分を見ているかというところまで認識しないんです。つまり相手がどう反応するかによって自分のやり方は変わるかもしれない。
立場の強い者同士が喧嘩していると、弱い立場の者が仲裁に入り両者の顔を見つめる。仲直りさせるのは、弱い者の役割。両者のメンツが守られる仲直りの仕方を、ゴリラが心得ているからだと山極先生はいいます。強い者が仲裁すると、強制的な終結となり、両者の心には不満が残る。しかし、弱い者が間に入ると「仕方がない」と、自発的な和解ができる。他のサルにはない行動。
「サルは、相手がどう自分を見ているかというところまで認識しないんです。つまり相手がどう反応するかによって自分のやり方は変わるかもしれない。
でもゴリラは、それが及ぶんです。相手がどういうふうに自分を見ているか。自分に何を期待しているか。それを考え行動を修正するわけです。相手が何を期待しているかということが頭に浮かぶとしたら、相手の気持ちを先回りして行動できるはずですが、サルにはそれができない。相手の行動を引き出してやろうということができないんです。」(引用元:こまばアゴラ劇場連続対談)
相手がどういうふうに自分を見ているか、自分に何を期待しているか、それを考えて行動を修正する先回りの行動ができるゴリラ。オスのゴリラが「私が父親です」と宣言してもなれるわけではないという、山際先生の話にとりわけ惹かれました。
「メスから信頼を得て、子どもを預けられ、その子どもからまたもう一度、信頼できる存在として認められる。(子どもに認められるというのは、子どもが近くに寄ってきて、頼って
くるということ)二重の関門をパスしなければ父親として認められません。」
その役割になってから、他者の要望や要請に応じて行動するというゴリラのオス。ゲノムの構造では2%以下の違いしかない類人猿ですが、ゴリラの父親としての役割にとても親しみが持てます。
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